Special Interview

被災地を歌う、シンガーソングライターちょねさゆ。震災を忘れず、伝える使命がある

2018年秋に行われた「地上波デビューコンテスト」での1位獲得をはじめ、これまでに数々のコンテストで入賞を果たしてきたちょねさゆさん。MixChannelでの躍進はもちろん、シンガーソングライターとして全国の被災地に歌声を届け続ける姿などにも注目が集まる彼女に、音楽に対する想いやこれからの目標についてうかがいました。

ファン参加型の配信で、みんなが楽しめる空間を作りたい

―――ちょねさゆさんは、コンテスト入賞の常連者。そもそもミクチャをはじめたきっかけはなんだったのですか?
2017年の7月頃、『HUG ROCK FESTIVAL』を主催しているハグてっぺいさんにすすめていただいたことがきっかけです。お話を伺っておもしろそうだなと感じて、最初は興味本位で始めました。

―――実際にやってみての感想はいかがでしたか?
最初のうちは、とにかく歌を歌ってみんなに届けることや、いろんな人とつながることを目的にしていたのでが、だんだんと意識が変わってきました。「どうすればリスナーのみなさんにとって、もっと楽しい空間になるだろう?どんな配信だとみんなの記憶に残るだろう?」ということを考え始めたんです。
その結果、「ファンのみんなと一緒に曲を作ろう」と思いつきました。

―――具体的にはどういう風に進めるのですか?
配信の最初に「どんな曲を作りたい?」と質問してテーマを決めたら、そこからAメロを3パターンくらい作ります。それについて、みんな「1番目がいい」とか「やっぱり2番かな」とか答えてくれるので、「じゃあ次に、歌詞は?サビはどんな感じにしよっか?」といった具合にコミュニケーションをとりながら作っていきます。私の言葉じゃない言葉で歌詞ができあがっていくのがすごく新鮮ですね。

一番リクエストの多いテーマは「片思い」の曲。小中学生のファンのみなさんが中心となってコメントをくれていて、実際に完成した曲が6曲くらいあるんですよ。

遠征先で見聞きしたこと、感じたことを伝えていくことも私の使命

―――それはおもしろい配信ですね!ファンは小中学生が多いんですか?
そうですね、男女ともにその年代は多いです。ただ、小さい子から小・中学生、大人の方やお年寄りの方まで幅広い年齢の方がファンになってくださっています。
あと私は被災地でライブ活動をしているので、熊本や宮城在住の年配の方がミクチャを通して私のことを知り、ライブに足を運んでくれることも多いです。

―――被災に遭った地域での活動を始めたきっかけは?
私が中学生の頃に3.11が起き、報道を見て、国内で起こっている出来事とは思えなくてすごくショックを受けたんです。
千葉出身の私は、停電になることもなく普段通りの生活を送れたけど、テレビ画面に映っている東北は全然違う景色だったんです。その衝撃がずっと忘れられず、大学生になるとアルバイトで稼いだお金で被災地に行くようになりました。
そこでさらに衝撃を受けたんです。目の前にはテレビで観た以上の深刻さがあったから。現地の方とお話すると、メディアの情報を見ているだけではわからないことばかり。その実態を多くの人に知ってもらうために、私は私のできることとして、歌を続けていこうと思ったんです。

―――被災地に関連する曲なども作っているのですか?
はい。震災に関する曲はYouTubeにもアップしています。あとは、遠征先から配信することもありますよ。

―――私たちひとりひとりが被災地に対してできることってありますか?
実際に現地に足を運ぶのは、学校や仕事があって難しいという人がほとんだと思います。でも、それに関しては行ける人が行けばいいと思うし、現地まで行く時間は取れなくても、たとえば募金をすることもひとつの手です。
でも、なにより大切なことは、震災が起きた事実をみんなが忘れないことだと思います。「明日何が起きるかわからない」ということを胸に刻めば、今日を大切に生きることができる。それってすごく大事なことですよね。

一度きりの人生だから、どんなときも明るく前向きに生きてほしい

―――配信を通して、その思いを多くの人に伝えられたらいいですね。
本当にそう思います。だから震災のこともそうですけど、私は「生きる」ってことをテーマにした曲をつくることが多くて。人生一回きりなんだからとにかく楽しんじゃえ!どんなときでも元気な自分でいよう!ていう思いを伝えたいし、そういう歌詞は書こうと思って書くのではなく、自然に降ってくる気がするんです。

―――コンテストへの挑戦も、多くの人に元気を届けるきっかけになりそうですね。
ミクチャを通じて、みなさんにいろんな機会をいただけてると思います。2018年の末、コンテストの優勝賞品としてテレビ神奈川の『関内デビル』に出演させていただいたときも、メジャーデビューに一歩近づいたことを実感できましたし、出演者の方たちとおしゃべりできていい刺激をもらえました。

メジャーデビューも音楽で食べていくことも決して簡単なことではないけれど、それを叶えることで、「努力すれば夢は叶う」ということを応援してくれているみなさんに伝えたい。同時に、これからも被災地での活動を続けながら、いずれは被害にあった地域にお金が回るようなシステムをつくっていきたいと思っています。“ちょねさゆ”の名前がもっと広まれば、数百人数千人の人に音楽を届けられると信じて、今後もまい進し続けていきたいですね。

(取材・文 松本玲子)

ちょねさゆ 🌻*⋆

受賞コンテスト:ハグロックフェス、神宮花火、関内デビルなど

MC:https://mixch.tv/u/9776230

HP:http://sayu0813sing.wixsite.com/sayusing123

Tw:https://twitter.com/sayusing